眠れない夜が続く理由は?生活習慣を少しだけ変えて“睡眠負債”を減らそう
「毎日寝つきが悪い」「なかなか眠れない」といった睡眠の悩みは、日中の眠気や集中力の低下など、さまざまな問題に繋がります。身近な悩みであるにも関わらず、睡眠についてどう解消していいのか困っている方も多いのではないでしょうか。
睡眠不足によるダメージの蓄積は「睡眠負債」とも呼ばれ、睡眠以外でも悪影響を及ぼすと言われています。寝つきの悪さや睡眠の質には、もしかしたら生活習慣やストレスが関係しているかもしれません。生活を見直し、心地よく眠れる夜を過ごしましょう。
目次
なぜ眠れないのかがわからない?夜に眠れない代表的な原因5選
布団に入っても眠れず時間だけが過ぎていくと、「明日も仕事があるのに……」と焦りますよね。
眠れないこと自体も困りますが、起きている時間まで辛くなってしまうのが睡眠不足の困りどころです。
一言で睡眠の悩みといっても、実際に困っていることや現象は人それぞれ異なります。
「寝つきが悪い」「途中で目が覚めてしまう」「長く寝ても疲れが取れない」など、さまざまな困りごとのうち、あなたが一番辛いのはどれでしょうか。
睡眠を改善するには、まず自分が何に困っているのか、そしてどんな原因によって起こっているのか突き止めることが重要です。
原因に合った方法で、生活習慣や意識を変化していきましょう。
まずは、眠れない原因として代表的な理由を5つご紹介します。
自分に当てはまっている理由がないかチェックしてみましょう。
生活リズムや生活習慣の乱れ
1つ目の原因は、生活リズムや生活習慣の乱れです。
「体内時計」という言葉があるように、もともと人間には睡眠と活動のリズムを整える機能が備わっています。
朝起きるのが遅く夜更かしの日が多い方は、もしかしたら体内時計が乱れている影響で、眠りにくくなっているのかもしれません。
食生活も、1日のリズムを掴む大切な要素です。
不規則な食事や暴飲暴食ばかりをしていると、睡眠の質の低下や寝付きの悪さに繋がりやすくなります。
日々のストレス
2つ目の原因は、ストレスです。
ストレスと睡眠には深い関係があるといわれています。
悩み事があると、布団に入ってから思い出したり、そわそわと落ち着かない気持ちになりますよね。
ストレスを感じると、体や脳まで緊張し、思うようにリラックスできなくなります。
気付かぬうちに溜まっているストレスがないか、ご自身で振り返ってみましょう。
また、ストレスは嫌なものや出来事だけとは限らず、ワクワクや興奮といった気持ちにも起こるといわれています。
小さいころ、翌日の予定が楽しみで眠れなくなった経験をした方もいるのではないでしょうか。
一時的なストレスならよいですが、簡単に解決しないものに対するストレスの場合、何らかの対処が必要になるでしょう。
働き過ぎや運動不足
3つ目の原因は、働き過ぎ、もしくは運動不足です。
適度な運動量は睡眠にも良い影響を与えますが、働き過ぎていると、夜になっても脳が興奮状態から冷めず、眠れなくなることがあります。
疲れているのに眠れないとなると、ますます疲れてしまいますよね。
反対に、活動量が少なすぎても睡眠によくありません。
お年寄りの方の多くが早起きになるのは、活動量が減ることによって、浅い睡眠になることが要因のひとつであると考えられています。
若い方でも運動不足な日が続けば、同じように浅い睡眠を引き起こす可能性が高まるでしょう。
寝る直前の刺激が多い
4つ目の原因は、寝る前の環境で刺激を受けすぎていることです。
睡眠は、スイッチを切るように突然眠るのではなく、徐々に眠気が訪れて眠りの状態に入っていくものです。
寝る直前に食事を摂ったり、運動をしていたりと、布団に入る前に刺激を受けすぎてしまうと、睡眠にも影響が現れるでしょう。
そのほかに、寝る直前までスマホを見る生活も、睡眠に悪影響を及ぼすといわれています。
目からの刺激によって睡眠を妨げているのかもしれません。
ホルモンバランスの乱れ
5つ目の原因は、ホルモンバランスの乱れです。
ホルモンは、人間に欠かせないさまざまな機能を調節している物質であり、睡眠もホルモンが関係しているといわれています。
なんらかの理由によって起こったホルモンバランスの乱れが、睡眠負債を引き起こしている原因のひとつです。
ホルモンバランスが乱れる主な要因には、加齢やストレス、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
そのほか、女性であれば生理や妊娠、出産などもホルモンバランスが変化する理由として考えられるでしょう。
また男性の場合も、ホルモンバランスの乱れによって体調不良を感じるケースが起こっています。
よって男女ともに、ホルモンバランスは健やかな生活のために欠かせない要素といえるでしょう。
なお、総務省が公表している「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果」によると、国民の週全体平均の睡眠時間は、男性が「7.58時間」、女性が「7.49時間」と、女性の方が睡眠時間が短いという結果が出ています。
ホルモンバランスだけでなくさまざまな要因が考えられますが、世界的に見ても日本人女性の睡眠時間は短いとする資料もあり、睡眠負債を抱えやすい生活であるといえるでしょう。
出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果」
夜に眠るためには日中が勝負!よく眠るための対策とは
夜によく眠れるようにするためには、日中の過ごし方がポイントです。
睡眠に効果が期待できる対策をご紹介します。
生活リズムを改善する
まずは生活リズムを整え、朝と夜のメリハリを付けましょう。
具体的には、早寝早起きと食生活の改善を心がけるとよいでしょう。
早寝早起きでぜひ取り入れて欲しいのが、「朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる」ことです。
体内時計が朝にリセットされ、夜には自然と眠りに付きやすくなります。
朝が苦手なら布団に入る直前にカーテンを開け、そのまま寝てもよいです。
一方で夜は活動量をおさえ、リラックスできる時間を習慣付けましょう。
睡眠に向けて、心と体を休ませることが大切です。
食生活ではファーストフードや糖分の多いものは避け、バランスのよい食事を摂りましょう。
お酒はほどほどに抑え、暴飲暴食を避けてください。
ストレスを発散する
ストレスを自覚していても、すぐに解決できるとは限りません。
ストレスの原因を取り除けることがベストですが、難しい場合は適度に発散していくことが大切です。
ストレスを抱えないのではなく、「溜めない」という方向に切り替えると過ごしやすくなるかもしれません。
運動や趣味を充実させたり、友人と会ったり、実家に帰省したりと、ストレスの発散方法は人それぞれです。ストレスの原因から、心や体を一旦切り離してみましょう。
ワークライフバランスを整える
働き過ぎが睡眠に影響を及ぼしている場合は、ワークライフバランスの見直しが必要です。
働き過ぎは睡眠不足だけでなく、病気のリスクも高めてしまいます。
ほどよい運動やプライベートの時間を確保しましょう。
働き方を変えるには転職も選択肢のひとつですが、そう簡単なことではありません。
睡眠不足を感じていたり、昼間に眠くなってしまう場合は、20〜30分程度の昼寝がおすすめです。
短時間の昼寝を「パワーナップ」といい、短い時間であっても脳や体の疲れをとる方法として効果的だと考えられています。
転職が難しければ、今の生活の中に休息を取り入れてみましょう。
寝る直前の刺激を減らす
寝る直前の過ごし方を意識することで、健やかな睡眠に繋がりやすくなるといわれています。
例えば、夜はスマホやテレビを早めに切り上げ、ブルーライトの刺激から目を遠ざけることも対策のひとつです。
食事は寝る数時間前に終え、胃を休ませることも眠りに対して効果が期待できます。
睡眠環境を整える
心地よい眠りには、睡眠時の環境も重要です。
蒸し暑かったり、寒すぎる部屋ではなかなか眠れませんよね。
部屋が適温であることはもちろんですが、加湿器やエアコンの除湿機能を使って適度な室温へと整えましょう。
また、寝具やパジャマは清潔な状態を保ち、肌触りのよいものに変えてみるのもおすすめです。
とっておきのパジャマで過ごす時間は、気持ちをさらに安らげてくれるでしょう。
適度な運動習慣をつける方法
快適な眠りには、適度な運動が効果的です。
しかし、運動習慣のない方がすぐに運動を習慣づけるのは困難です。
ここからは「具体的に何をしたらいいの?」という方に向けて、運動習慣の付け方をご紹介します。
自宅で筋トレや有酸素運動をする
「まずは自分なりに運動してみよう!」と行動を起こせる方は、自宅での筋トレや有酸素運動がおすすめです。
最近では、YouTubeにも筋トレやエクササイズができる動画がたくさんあります。
本格的なトレーニングから音楽と一緒に楽しく体を動かすものまで、自分に合った動画も見つけられるでしょう。
自宅で行う運動は、ほんの数分しかない隙間時間でも行えることがメリットです。
マイペースかつ、好きな運動量で続けられます。
職場で簡単な運動やストレッチをする
「仕事や日常生活に運動を取り入れたい!」という方は、職場や自宅で行う動作で運動量を増やしてみましょう。
通勤を徒歩や自転車に変えたり、エレベーターでの移動を階段に変えたりするだけでも運動量は上がります。
一気に行うのは難しくても、1駅分や1階分の移動を変えることから初めてみてください。
デスクワークの方は小まめに立ち上がってストレッチをするのも効果的です。
仕事での疲れやストレスを運動で発散しましょう。
24時間営業のジムを利用
「器具を使った効率的なトレーニングをしたい!」という方は、24時間営業のジムがおすすめです。
トレーニングジムに通うと、自分に合ったマシンを使った本格トレーニングができるようになります。
スタッフにトレーニングのコツやアドバイスを聞くことができるので、独学でのトレーニングよりも効率的です。
なにより、周りの方の姿を見てモチベーションをキープしやすいことが大きなメリットになります。
運動は継続することが肝心です。
24時間営業のジムなら、仕事終わりや休日にも空き時間を見つけて自分のペースで運動できるでしょう。
パーソナルジムに通う
「自分から運動する気が起きない……」という方は、パーソナルジムに通い、プロに協力してもらいながら運動習慣を身に付けていくのもおすすめです。
パーソナルジムでは、一般的なジムとは異なり、マンツーマンでのトレーニングや指導を受けられます。
通う方の状況や目的を汲み取り、最適かつ効率的なメニューでトレーニングできるのが特徴です。
自分ひとりでは運動が続かない方も、寄り添ってくれるトレーナーからの励ましやあることで続けやすくなるでしょう。
ジムによっては、運動だけでなく生活習慣や食事メニューまでアドバイスを受けられるので、生活全般にわたっての改善を目指せます。
人目を気にせずトレーニングできるのも、パーソナルジムの魅力のひとつです。
運動に不慣れで、人の多いジムで体を動かすことに抵抗がある人にこそ、パーソナルジムをおすすめします。
睡眠環境を快適にするための睡眠グッズ
睡眠環境の向上は、眠りの質を高めるだけでなく、疲労回復やリラックス効果をもたらすといわれています。
睡眠負債を溜めないために、ここから紹介するポイントに注目して睡眠環境にこだわってみましょう。
パジャマ、ルームウェア
パジャマやルームウェアは、寝心地がよいものを用意します。
吸水性に優れ、蒸れた空気を外に逃がす透湿性の高いものがよいでしょう。
上質な生地というと、シルクやガーゼ素材などが挙げられますが、パジャマにおすすめなのは綿100%の生地です。
汗を吸っても体に張り付きにくく、寝返りもしやすいものを選んでください。
最近は、特殊繊維の効果で疲労回復を助けるといわれるパジャマも販売されています。
直接肌に触れる部分が多いパジャマやルームウェアは、少し高価なものを選んでみましょう。
枕やマットレスなどの寝具類
頭や体を支える枕やマットレスは、睡眠に与える影響が大きいアイテムです。
「旅先は枕が違うからよく眠れない」というのもよく聞く話ですよね。
寝具で睡眠を改善するポイントは、自分の骨格や寝る姿勢に合った商品を使うことです。
枕やマットレスは硬さ、高さ、大きさの3つの要素を意識して自分に合ったものを探しましょう。
とくにマットレスは、お尻や背中が沈み過ぎないよう、体全体に圧力が分散されるものを選んでくださいね。
また、シーツや掛け布団も、吸湿性や保温性の高い素材に変えるとより快適になります。
いくら温かくても、重たすぎる布団は寝苦しさを感じてしまうので注意してください。
フレグランス、アロマ
ラベンダーやカモミールなど、睡眠に良いといわれるフレグランスやアロマの香りで、眠る前にリラックスするのもおすすめです。
香りを感じるだけでも十分癒されますが、商品によってはアロマを数滴入れたお湯で作ったホットタオルで顔や肩を温めたり、バスタブに入れて入浴したりと、幅広い使い方ができます。
アロマランプを用いれば、温かい光とともにやわらかな香りが寝室に広がっていくでしょう。
照明
照明にはさまざまな種類がありますが、寝室には白っぽく明るいものより、オレンジ色の照明が適しています。
寝室が寝るだけの部屋ならオレンジ色の電球色へと変更してみると、眠りやすくなるかもしれません。
寝室のデスクで作業する方やワンルームの方は、白っぽい昼白色と電球色の切り替えができる照明がおすすめです。
また、スムーズな眠りを促すために寝る前には部屋の明るさを落とし、間接照明を取り入れてもよいでしょう。
まとめ
「夜なかなか眠れない…」という場合には、どのような原因から眠れなくなっているのかを知り、運動習慣や睡眠環境の改善など、何らかの手を打つのがおすすめです。
生活リズムやワークライフバランスを整えたり、睡眠環境を整えたりするなど、さまざまな手段があります。
必要に応じてパーソナルジムや睡眠グッズも利用しながら、ぜひ十分な睡眠が取れるようにしてみてくださいね。