ゲーミングキーボードはどう選ぶ?構造と種類、普通のキーボードとの違いを解説

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ゲーミングキーボードと普通のキーボードの違い

一般に「ゲーミングキーボード」と呼ばれているものは、実は普通のキーボードと異なる点はほとんどありません。ゲーミングキーボードのみが持つ特徴としては以下の4点があります。

  • バックライトがつくため、文字が印字方式ではないものが多い。
  • 同時押し(ロールオーバー)が可能。
  • 音量調整やマクロなどの追加機能が搭載されている。
  • 意図しない誤入力を防ぐ機能(アンチゴースト)が搭載されている。

まず、バックライトがつくためにキーボードの文字が印刷されているのではなく、明かりを通して判別できるようになっています。

ノートパソコンのキーボードでも同じ仕組みのものがありますが、ゲーミングキーボードの場合はこの明かりを多種多様な色に変えることができます。
キーの印字がよく欠けてしまう人にとっては、ゲーミングキーボードのようなライトによる印字表示は良いかもしれません。

また、ゲームではいくつかのキーを同時に押すこともあるため、「ロールオーバー」と呼ばれる同時押しが可能となる機能も搭載されています。

それとは別に、今度は誤入力を防ぐ「アンチゴースト」という機能もありますが、一般ではすべてのキーを使用することになるために、あまり必要のないものかもしれません。

そして、自由にキーの内容を割り当てることのできる「マクロキー」が搭載されたキーボードもあります。

マクロキーやバックライトは、便利になるときもありますが、基本的にはゲーム用の機能が追加されているものが「ゲーミングキーボード」と呼ばれています。そのため、基本的な使い方をするのであれば、ゲーミングキーボードと普通のキーボードに大きな違いはないのです。

しかし、ゲーミングキーボードに触ってみると、カチカチ音が鳴ったり、押した感触がこれまで使用していたキーボードとは違うように感じることもあると思います。

そもそも、キーボードの構造にはいくつかの種類があり、ゲーミングキーボードはこの中で使いやすい構造をしていることから、ゲーム用だけではなく、仕事用などにも使われているのです。

キーボードを選ぶ際に必要な知識として、まずはその構造の違いから見ていきましょう。

キーボードの構造

キーボードの構造には主に「メカニカル」、「メンブレン」、「パンタグラフ」、「静電容量無接点」の4種あります。

メカニカルは軸によって打鍵感が異なるため、自分に合ったものを見つけることができます。
また、元々構造として丈夫であることに加え、軸本体を交換することができるため、故障しても修理しやすく、長持ちします。

ゲーミングキーボードと呼ばれるものの多くはこのメカニカル構造を採用していますが、価格は少し高めで1万円台からのものが主になっています。

メンブレンは安さが最大のメリットで、一般のキーボードもほとんどがメンブレン方式を採用しています。
ゲーミングキーボードの中には、このメンブレン構造を採用した安価なものもあります。

デメリットとして、故障した際、構造上一部だけ直すことは難しいため、基本的には買い替えることになるでしょう。

パンタグラフはキーボード本体が薄くて、打鍵のピッチも非常に狭くなったものです。
ノートパソコンについているキーボードは、このパンタグラフ構造が主流となっているため、これまでノートパソコンのキーボードが使いやすかった人にはオススメです。

ただ、強くキーを押してしまう人にとっては、衝撃が指に来るために疲れやすく、また故障の原因にもなります。
そして、メンブレンと同様、破損した際には買い替えが必要なうえに、キーボードの隙間にゴミなどの異物が入った際にはボタンが押せなくなったりするので、細かな手入れが必要です。

最後に、静電容量無接点のキーボードは、メカニカルとほぼ同じ打鍵感でありながら、軽くて音がしないのが特徴です。
指が疲れることも少なく、打ち心地も良いというすべてのキーボードの良いとこ取りというものですが、主流価格が2~3万円台という非常に高級なキーボードになっています。

種類 価格帯 特徴 どんな人に合うか
メンブレン 3,000~5.000円 安くて押し心地がある構造。全体が一体化しているため、個人での修理が難しく、買い替える必要がある。 業務用、あまりPCを使わない人向け
パンタグラフ 3,000~5,000円 メンブレン構造をより使いやすくした薄型の構造。ただ、薄型である分、ゴミが多少入り込んだりするとキーが押せなくなったりと、扱いに気を遣う。 PCを利用することが多く、浅いキーストロークが好きな人向け
メカニカル 5,000~1万円以上 キーが独立した構造で丈夫。軸の破損などは自力でも修理しやすく、中には軸を自由に交換できるタイプもある。 丈夫なキーボードが欲しい人向け
静電容量無接点 3万円前後 ほぼ無音でキーも軽く、深いストロークで打鍵できる。しかし、値段が非常に高く、自力での修理も不可のため、コストがかかる。 仕事・プライベートでもPCを利用する時間が多い人向け。

メカニカルキーボードの軸の種類

先ほど述べたように、メカニカルキーボードは軸のカスタマイズが可能です。
種類としては各メーカーごとに取り扱いは変わりますが、主に「青軸」「赤軸」「ピンク軸」「茶軸」「銀軸」「黒軸」の6つが有名です。

それぞれの軸には特徴とメリット・デメリットがあります。

種類 特徴 メリット デメリット
青軸 軸の中でも最もストロークが深く、押した際に音が鳴る軸。 誤入力がしにくく、キーを押した際の感触が明確。 音が大きいため、周りに人がいる場所では使いにくい。
赤軸 深く押すほど重たくなるタイプの軸。 音が比較的静かで、押した際の感触もある。 徐々に重たくなる構造のため、深く押しがちな人だと指が疲れやすい。
ピンク軸 さらに静音化した赤軸。 よりゲームに特化し、音もほぼ無音にできる。 赤軸よりも浅くなっているために、底打ちする人だと余計に指が疲れる。
銀軸 接点までが特に浅いタイプの赤軸構造。 素早い入力が可能。 反応が良すぎることから、仕事などで使用するには誤入力しやすい。
茶軸 初心者向けとされる、柔らかい感触の軸。押し切った際に多少のクリック感がある。 多少のクリック音もあり、打ちやすい。 特にないが、青軸や赤軸など特徴の強い軸に合う人の場合は使用時に違和感がある。
黒軸 キーを押してから戻ってくるまでが早いタイプの軸。 静音でありながら、青軸のように深く打ち込むことができる。 反発力が強いため、指にひっかかる場合がある。また、クリック感はあまりない。

基本は「茶軸」として、よりクリック感や押し心地が欲しい人は「青軸」「黒軸」を、静音性や入力スピードを求める人は「赤軸」「ピンク軸」「銀軸」という選び方をするのが良いでしょう。

実際に触れてみると、軸による感触や操作感がわかるので、一度は店舗にある展示品で試してみることをオススメします。

キーボードは無線か有線か?ゲーム利用に無線は厳禁!

キーボードとパソコンをつなぐ方法に「無線(ワイヤレス)」と「有線」の方法があります。どちらが良いかは人それぞれ異なりますが、1点だけ注意しなければいけないことがあります。

それは「ゲーム用であれば、基本的に有線キーボードがオススメ」という点です。

ゲームをするうえで、無線の一般キーボードは入力遅延が起こることがあります。「操作してから動きが微妙にズレているような……?」といった感覚くらいの1秒にも満たない遅延ですが、FPSやMMORPGなど複雑かつ早急な操作が求められるゲームをプレイする際には、その遅延がストレスになりがちです。

そのため、仕事やブログ運営などの入力作業・資料作成などが主であれば無線キーボードでも構いませんが、ゲームでもキーボードを利用するという人は基本的に有線キーボードを利用しましょう。

なお、遅延対策がされている無線のゲーミングキーボードもありますが、最低でも2万円台からと値段が高くなっているので、予算を踏まえて検討するようにしてください。

日本語配列と英語配列の違いにも注意

ほとんどの人が日本語配列のキーボードを使用した経験しかないと思いますが、昨今では英語配列のキーボードも見かけるようになってきました。
「いつものキーボードからひらがなが消えただけじゃないの?」と感じられるかもしれませんが、下記のように細かなところが違うのです。

  • ひらがな表示、句読点などの表示がなく、英字と記号のみ
  • SHIFTキーで切り替えられる文字が一部異なる
  • 配列が一部異なる
  • 英→漢字切替など一部のキーが存在せず、ショートカットで対応
  • ボタンのサイズが異なる

主に英語配列のキーボードはプログラマーなど日本語ではない言語入力を多用する人向けとされています。

しかし、スペースキーが幅広になったことによる操作性や、ゲームプレイに不要なキーが削除されたことによる誤入力の減少などから、ゲーミングキーボードを中心に英語配列が広まってきています。

ただ、普段使いで利用するには慣れが必要不可欠です。
日本語入力が業務上でも特に多いという人などは、日本語配列キーボードを使用するのが無難なところです。

各値段帯でのオススメキーボード

こちらでは各値段帯でオススメのゲーミングキーボードを紹介していきます。

値段によっては欲しい構造が取り扱われていないこともありますので、自分の欲しいキーボードは大体これくらいの値段になるという参考になるとうれしいです。
ただ、先にも書きましたが、一度触ってみて選ぶのをオススメします。

5,000円台まで:e元素 ゲーミングキーボード

5,000円台までのキーボードであれば、e元素(イーヨーソ)というメーカーのキーボードがオススメです。
中国のメーカーですが、この価格帯にも関わらず、アンチゴーストなどの必要な機能を備えており、メカニカル方式を採用しています。

コストパフォーマンスが非常に高いゲーミングキーボードとして、国内でも人気が高いメーカーのひとつです。

注意点としては、ゲーミングに特化しているため、英語配列かつテンキーレスのモデルが非常に多く、日本語配列・テンキー付きのものはあまりありません。
そのため、普段使いとしては多少使いづらくなってしまうでしょう。

また、値段が抑えられている分、多少耐久性も低くなっており、軸よりもキーキャップの方で破損があったという声もあります。
ただ、メカニカルキーボードの使い心地を体験してみるには丁度いい価格ではあるので、お試しで使ってみるのも良いかもしれません。

1万円台付近:Corsair K63 Red LED

この価格帯となってくると、メカニカルキーボードも購入しやすい値段になってきます。

その中でもゲーミング機器ブランド「コルセア(Colsair)」の「K63 Red LED」は赤軸を搭載したメカニカル方式のゲーミングキーボードです。

ピンク軸のみの取り扱いで、テンキーレスのデザインになっていますが、文字入力ならびにゲーム利用としては十分に質が高いもので、入門用としてもぴったりです。
さらにキーボードの上部には音量調整のボタンもあり、動画再生などにも便利です。

発光が赤色で固定されてしまうために、視覚的に気になる人もいるとは思いますが、初めてのゲーミングキーボードとして選択肢に入れたい一品です。

1万5,000円台付近:Razer「BlackWidow V3」

1万円を超えると、有名ゲーミングキーボードメーカーの商品が続々出てきます。
先ほどのコルセアはもちろん、「スティールシリーズ(steelseries)」や「ハイパーエックス(HyperX)」といったメーカーがゲーム用品専門として有名です。

これら有名メーカーの商品は、激しいゲーム操作にも耐えられる耐久性を持つメカニカル構造のものが多く、中には独自開発のキースイッチなどを搭載しているため、あらゆる点で優れています。
この値段となると、キーボードはゲーム用として使用するほどに頻度の多い人向けとなるでしょう。

中でも、「レイザー(Razer)」社の「BlackWidow V3」はゲーム向けに独自開発された緑軸・黄軸を採用しており、キースイッチも8,000万回ものタイピングに耐えられるという高い耐久性も有しています。
さらに付属の専用ソフトを使用すれば、バックライトの設定やキーの割り当てなども変更可能。

ただ、日本語表記と英語表記の両方のバージョンがあるので、買う際には注意。
定価が税込1万6,980円と少し高めにも感じますが、手首を置いて使いやすくする「リストレスト」も付属しており、本体も丈夫で長持ちかつ使いやすい商品になっているので、満足度は高いでしょう。

3万円台付近:東プレ RealForceシリーズ

2万円台を超える価格となると、静電容量無接点方式のキーボードが購入可能です。
最も使用されているのは「東プレ」が開発する「RealForceシリーズ」になります。

静電容量無接点方式による静かでなめらかなタッチは、一度馴染んでしまうと離れられないほど。
もちろん耐久性も高く、日本製であるために安心感もバツグン。

現在では「REALFORCE R2 テンキーレスPFU Limited Edition」が最新モデルとなっており、その性能はさらに高くなっています。

バックライトのような発光する機能はありませんが、ロールオーバーにも対応しているので、素早い入力もできます。
ゲーム・普段使い問わず、最高のキーボードのひとつといえるでしょう。

自分に合ったキーボードを見つけよう

パソコンのゲームユーザーも以前よりも増加しており、キーボードの種類も多くなりました。

また、リモートワークなどの機会が増え、自宅でもパソコンに触れる機会は増えてきたと思います。
ゲーミングキーボードは決してゲーム用だけではなく、普段使いでも便利なものですので、キーボードの買い替えなどを考えている人は、ゲーミングキーボードも一度検討してみてはいかがでしょうか?

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