FXはほぼ24時間取引が可能ですが、その時間帯によって値動きに特徴があります。
取引量が多い時間帯でトレードすると約定率が上がったり、取引量が少ない時間帯ほど大きな値動き幅が生まれるチャンスが到来したりと、為替相場は常にチャンスで満ちているのです。
そこでこの記事では、24時間のうちいつ取引すれば効率的に利益が得やすくなるのかを解説。
取引時間帯が長く、FX初心者でも利用しやすいFX業者もご紹介しますので、ぜひ取引の参考にしててください。
目次
FX取引の大元、外国為替市場のオープン時間帯
FXとは、各為替の動きを見ながら「買い」や「売り」を入れ、その価格差から利益を得る投資手法です。
為替の動きは場合によってかなり激しくなるため、比較的リスクの高い取引手法に分類されます。
一方できちんと損切りや利益確定を積み重ねれば、大きな利益につながる可能性もあるため、投資初心者からプロトレーダーまで多くの投資家が取引に参加しています。
まずはFXが取引できる時間帯に関する基礎知識について、説明しましょう。
世界の外国為替市場のオープン・クローズ時間
FX取引がほぼ24時間可能なのは、世界中のどこかで「外国為替市場」がオープンしていて、常に為替が取引されているからです。
では、世界の外国為替市場はいつどこでオープンしているのでしょうか。
その市場の場所と開場時間は次の通りです。
- オーストラリア:朝7時〜16時
- 東京:朝9時〜18時
- ロンドン:夕方17時〜深夜3時(サマータイムでは夕方16時〜深夜2時)
- ニューヨーク:夜22時〜朝7時(サマータイムでは夜21時〜朝6時)
※日本時間で記載
この4つの外国為替市場がオープンしている時間帯をすべてつなげると、24時間を網羅します。
そのため、世界中でいつでもFX取引が行われているのです。
サマータイムに要注意
先ほどの説明にあった「サマータイム」とは何でしょうか。
これは日中の時間帯が長くなる3月~11月に、時計の針を1時間進める制度のこと。
米国やイギリスなど欧米諸国を中心に導入されています。
サマータイムの時期は、ロンドンやニューヨークの外国為替市場の営業時間が1時間早まります。
そのため、関連する通貨の値動きが一時的に変わることもありますので、注意しておきましょう。
FX取引が活発な3つの時間帯
ではこのうち、特にFX取引が活発でチャンスの多い時間帯はいつなのでしょうか?
その特徴とともに紹介します。
【オセアニア〜東京為替市場】7時〜9時頃、10時半〜11時半頃
まず朝のチャンスタイムは、7時〜9時頃、そして10時半〜11時頃です。
7時台はオーストラリアやニュージーランドの外国為替市場がオープンし、9時になると東京市場も始まるので、何かと為替の動きが活発になります。
7時〜8時台は比較的市場参加者が少ないため、値動きの幅(ボラティリティ)が大きくなりやすく、思わぬチャンスに出くわすことがあります。
また東京市場が開いた9時台も、株式相場の動きなども見ながら大きな動きが発生することがありますので、日中トレードできるならぜひ参加しておくといいでしょう。
また10時半〜11時半の株式相場の前場がクローズしそうな時間帯にも、大きな動きが出ることがあります。
なお東京為替市場が開いている間は、米ドル/円やユーロ/円といった「クロス円」の通貨ペアの取引が活発化。
そのためクロス円の通貨を売り買いしている方は、会社の昼休みなどに少しでも取引に参加すると利益が出しやすくなる可能性があります。
【ロンドン為替市場】16時頃
次にチャンスが訪れやすいのは、東京為替市場からロンドン為替市場に舞台が移る16時頃です。
東京株式相場のクローズも影響するほか、ヨーロッパのトレーダーが一斉に動き出します。
またヨーロッパの各経済指標もこのタイミングで発表されることが多く、その結果によっては為替が大きく変動することがあります。
ヨーロッパ諸国が活発に取引するため、この時間帯にはユーロ/米ドルやユーロ/円、ポンド/米ドルといった、ヨーロッパ通貨に関する取引が増加します。
対象通貨を保有している場合は、夕方から積極的に参加するといいでしょう。
【ニューヨーク為替市場】21時〜23時頃
日本時間夜の時間帯でもっとも取引が活発化するのは、ニューヨーク為替市場がオープンする21時以降です。
さらに21時半以降には米国の各経済指標などの発表が行われることが多く、その結果次第ではチャンスが到来します。
この時間帯は米ドルに関する取引が非常に多くなります。米ドル/円やユーロ/米ドルなどを取引するといいでしょう。
日中に働いている会社員や自営業などの方は、この夜の時間帯で集中して取引を行うと、効率的な取引ができるでしょう。
ただし取引に熱中しすぎるとあっという間に24時を過ぎてしまい、翌日のコンディションに影響してしまいますので、計画的に取り組むのがおすすめです。
21時以降に発表される米国の主要な経済指標
FX取引が1日でもっとも活発に行われるのが21時以降の夜時間。
この時間帯に発表される米国の主要な経済指標を種類を解説します。
内容を簡単に押さえておくと、為替の動きがさらに読みやすくなるでしょう。
FX取引に影響する主な米国の経済指標
米国という経済大国の経済や景気を表す主な指標は、米国だけでなく世界全体に大きな影響を与えます。
FXも影響を大きく受けるもののひとつです。
指標発表があるときは、前もって利益確定して手元資金を潤沢にしておき、チャンスが到来したときに資金投入できるようにするのがおすすめです。
下記は中で有名なものの一例になります。
経済指標は他にもありますので、米国の経済状況はチェックするようにしておきましょう。
米国の労働省労働統計局(BLS)が発表している、雇用情勢を示す指標のこと。
重要度がかなり高いので、真っ先にチェックしておきたい。
発表日は毎月第1金曜日、日本時間の22時30分(サマータイムは21時30分)。
その注目度の高さから、発表直前には取引量が激減することも。
米国の中央銀行のような立ち位置である連邦準備制度理事会(FRB)が開催している会合のこと。
年8回、約6週間ごとに開催されており、必要なときには臨時開催される。
FOMCの終了直後に発表される声明や、その3週間後に発表される議事録の内容によっては、大きな反響がある。
発表は日本時間の早朝4時15分頃(サマータイムでは3時15分頃)。
別名「FF金利」と呼ばれる、米国における実質的な政策金利のこと。
FOMCで発表される金融政策の誘導目標となっており、その声明とともに発表される。
金融緩和政策に伴い、いつか大きな流れで金利の引き上げがあるのではないかと予想されている。
初心者がFXを始める際のポイント3選
FX初心者が投資を始める際に重要なことは、他に何があるのでしょうか?
ぜひ押さえておいてほしいポイントを3つ解説します。
余裕資金で始める
1点目は、余裕資金でFX取引を始めることです。
FXだけでなく株式投資や投資信託などの投資は、なくなっても生活に支障の出ない「余裕資金」で始めるのが最大のポイント。
生活するのに必要がお金で投資をしてしまうと、せっかくいいポジションが取れているのに、生活のために売却することになったり、絶対に利益を出さなければいけないという過度なプレッシャーにつながったりします。
こうした心理的・経済的な制約が大きいほど、思うような結果が出せないかもしれません。
FX取引を始めるなら、生活に関連性のない資金でスタートするといいでしょう。
小ロットから取引できるFX業者を選ぶ
2点目は、小ロットから取引できるFX業者を選ぶことです。
FXは基本的に1万通貨という取引単位からトレードが可能になります。
しかし、レバレッジを使用せずに1万通貨分の資金を用意しようとすると、次のような金額が必要となってしまいます。
- 米ドル/円ペア:約109万円
- ユーロ/円ペア:約133万円
- 豪ドル/円ペア:約84万円
もしレバレッジを最大25倍まで利かせれば、上記の25分の1の資金で収まります。
しかし、万が一予想が大きく外れたときに、追加資金を投入する「追証」や、ポジションが強制的に決済される「ロスカット」の対象となる可能性が高まりますので、注意が必要です。
実は1,000通貨などの小さな取引数(ロット)から取引ができるFX業者もあります。
必要なロット数が少なければ、レバレッジを過度にかけなくても少額から取引が可能になるのがメリット。
小ロットで取引できるFX業者は、こちらの記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。
簡単な取引記録をつけ、マイルールを編み出す
3点目は、FXの取引記録をつけて、自分が勝ちやすい「マイルール」を編み出すことです。
FXは「買い」と「売り」を繰り返すシンプルな投資法のため、簡単な取引記録をつけることで再現性が上がり、より効率的に勝てるようになります。
そのためには、自分が過去に行った取引経験から学ぶのが最適です。
紙のノートやパソコンのドキュメントなど、記録するツールは特に問いません。
自分の使いやすいようなツールを使って記録をつけ、自分なりの「勝ち筋」を導き出しましょう。
なお、記録をつけておきたい項目は、こちらの記事で紹介しています。
また、FX取引には実際にお金が必要になりますが、各FX業者が用意しているデモトレードツールを使えば、無料でFX取引の練習をすることが可能です。
デモトレードで取引に慣れてから本取引へ移行するのもおすすめできます。
デモトレードを利用する際の効率的な練習法や、おすすめのデモトレードツールなどはこちらで紹介しています。
こちらもぜひ参考にしてください。
取引時間帯が長い!FX初心者におすすめのFX業者3選
実際にFX取引を行う際は、なるべく取引時間帯が長いFX業者を利用するのがおすすめです。
そこで利用時間がしっかり長く、初心者でも利用しやすい業者を3つ紹介します。
FX業者での口座開設はもちろん無料ですので、どの業者やサービスを利用するか、検討してみてください。
YJFX!
YJFX!はヤフーグループ傘下のFX業者。
2021年9月下旬にはGMOフィナンシャルホールディングスの子会社となり、現在提供している「外貨ex」は、「外貨ex byGMO株式会社」というサービス名に変更されることが決まっています。
YJFX!のサービスの特徴は、1,000通貨〜取引できる点や、業界でも狭いスプレッド(コスト)など、ユーザー目線に立ったサービスが充実していること。
特にスプレッドは、米ドル/円で0.2pips、ユーロ/米ドルで0.4pipsなどで取引ができますので、少額からコストを極力おさえた取引が実現できます。
ただし午前3時~午前9時の時間帯はスプレッドが広がりやすいので、なるべく取引を避けるといいでしょう。
気になる取引時間(注文受付時間)は、日本時間の月曜午前7時~土曜午前6時50分まで。
米国がサマータイムを適用している際は、月曜午前7時~土曜午前5:50までとなります。
平日は取引できない時間帯がほとんどありませんので、さまざまな時間帯で活用できるFX業者と言えるでしょう。
LIGHT FX
LIGHT FXは、トレイダーズ証券が提供しているFX取引のひとつで、こちらも1,000通貨〜取引が可能です。
スプレッドもかなり狭く提供しており、朝8時~翌日朝5時までは、米ドル/円で0.2pips、ユーロ/円で0.4pips、ユーロ/米ドルで0.3pipsといったスプレッドで取引できます。
取引時間は日本時間の月曜7時10分~土曜午前6時50分、サマータイム実施期間は月曜7時10分~土曜午前5時50分。
平日ほぼ24時間取引できますので、あなたのご都合にあわせて集中的に取引するといいでしょう。
ヒロセ通商
ヒロセ通商は、2004年創業の歴史あるFX業者です。
通貨ペアが50種類と豊富なので、さまざまな通貨ペアで取引が楽しめます。またこちらも1,000通貨〜取引が可能です。
取引する際のスプレッドは、米ドル/円で0.2pips、ユーロ/米ドルで0.3pips、豪ドル/円で0.6pipsなど、全体的に良心的なスプレッドを設定。
投資初心者でも利用しやすいでしょう。
また適宜独自のキャンペーンを実施しています。
中には「国産の黒毛和牛300g」が当たるキャンペーンが実施されているなど、オリジナリティ溢れるサービスでファンを増やしています。
気になる取引時間帯は、日本時間の月曜午前7時〜土曜午前6時30分まで。
米国のサマータイム導入時は月曜午前6時30分〜土曜日午前5時30分となります。
長時間取引できますので、トレードしやすいでしょう。
時間帯でのチャンスを見逃さず、安全にトレードしよう
FX取引は、平日のほぼ24時間取引できるのが大きな特徴です。
その中でも取引が活発な時間帯や、大きなボラティリティが発生しやすい時間帯が主に4つありました。
朝・昼・夜に生まれるチャンスタイムを活かして、効率的に投資を行えるよう、まずは1,000通貨〜の小ロットから取引を始めてみてはいかがでしょうか。