疲労がたまった夜には、温かいお湯に浸かるとリフレッシュできます。
特に寒くなってきた時期には乾燥しがちにもなり、肌にも気を遣わなければいけません。
そこで、美肌や温浴効果のある入浴剤を使えば、疲れも気になる肌もまとめてケアできます。
2023年にウェザーニュースが行った調査「冬にこだわりたいバス用品」では、入浴剤がNo1という結果になりました。
肌寒い冬の期間はもちろん、入浴剤は毎日のお風呂を少しリッチにしたいときにもおすすめです。
今回は、入浴剤の選び方と美肌を目指す方におすすめの商品をご紹介します。
市販の入浴剤の効果は?入れてはいけない浴槽もある?
コロナ禍では自宅で過ごす時間が増え、入浴剤のニーズが高まりました。
2023年度は外出する傾向が高まったものの、入浴剤市場は1%しか減少せず、現在も高い需要が続いています。
日常生活で手軽にセルフケアできるアイテムとして、入浴剤が実は密かなヒット商品となっているのです。
湯船に浸かるだけでもプラスの効果が働きますが、入浴剤を使うことによって入浴で得られる効果を高めたり、プラスアルファの効果が期待できます。
では、入浴剤の具体的な効果や注意点を見てみましょう。
入浴剤には入浴の効果を促進する役目がある
そもそも入浴には、主に以下の効果が期待できます。
- リラックス効果が得られる
- 血流やリンパの流れがスムーズになる
- 新陳代謝が活発になる
- 睡眠の質が高まる
- 肌の調子が整いやすくなる
湯船に浸かると水圧や温度、浮力作用などは、体に良い効果があるといわれています。
たとえば、水圧は心臓の血液が押し流され、血流やリンパの流れの改善に繋がるでしょう。血流がスムーズになると体は冷えにくくなります。
もちろん、温かい湯船は体をぽかぽかに温めてくれるので、冷え性に悩む方にもおすすめです。
また、入浴は睡眠とも深い関係があります。
入浴で体の内部が温まると、その後の温度が下がっていくときに入眠しやすくなるといわれているためです。
新陳代謝が活発になり、睡眠の質が高まるとお肌にも良い影響が現れるでしょう。短時間でも湯船に浸かることで多くのメリットが得られます。
入浴剤を使うメリットは、上記のような「入浴の効果を高められること」です。
肌の乾燥が気になる方は、保湿効果アップが期待できる入浴剤を選ぶと良いでしょう。
また、汗をかいて老廃物を排出したい方は発汗作用や温熱効果のあるもの、リラックス効果を高めたい方はお気に入りの香りを選ぶのもおすすめです。
入浴剤の形状は主に3種類
一般的に、入浴剤の形状は「固形タイプ」「液状タイプ」「粉末タイプ」の3種類に分けられます。
それぞれの特徴を解説しましょう。
形状 | 固形 | 液状 | 粉末 |
主な成分 | 炭酸ガス | オイル、シアバターなどの保湿剤 | 炭酸カルシウム、天然塩(塩化ナトリウム)など |
特徴 | 泡を出しながらとけていく。炭酸ガスが皮膚に吸収され、血流促進が期待できる。
比較的値段が安い。 |
保湿効果に優れた商品が多く、乾燥肌の方におすすめ。
保湿成分が入浴後も水分を蒸散させにくくする。 |
お湯に溶けやすく、入れる量を自分で調整しやすい。
ミネラルを多く含む製品は温浴効果や発汗作用が期待できる。 |
実際の効果は入浴剤の成分によって異なりますが、形状によってある程度の特徴が掴めます。
入浴剤を使う前に「お風呂の材質」を確認
入浴剤とお風呂の材質の組み合わせによっては、色や匂いが残りやすくなる点に注意してください。
入浴剤を使う前にお風呂の材質を確認し、どんな製品なら問題ないのか調べておくと安心です。また、追い炊きができるかどうかも調べておくことをおすすめします。
お湯は直接肌に触れるものなので、小さな子どもと使う場合や、洗濯などに利用する場合も成分を確認しておくと良いでしょう。
お肌にうれしい入浴剤の選び方
入浴剤は自分の求める効果に合った商品を選ぶことで、失敗を防ぎやすくなります。
入浴剤を選ぶ際は、以下の4つの視点を基準にすると良いでしょう。
- 保湿効果があるか
- 発汗作用があるか
- 医薬部外品かどうか
- 香りが好みかどうか
保湿効果は肌のケアに、発汗作用はダイエットやデトックス効果が期待できます。
そして、肩こりや冷え性などの悩みがある場合は医薬部外品の入浴剤が合うこともあります。
香りについては、入浴中はお風呂に匂いが充満するため、苦手な香りだと入浴してもかえってストレスが増す要因になってしまいます。
それでは、ひとつずつ詳しく解説していきましょう。
保湿効果が期待できる入浴剤
乾燥が気になる方におすすめしたいのは、「保温効果が期待できる入浴剤」です。
保湿効果が優れている入浴剤は、バスミルクやバスオイルなど液体タイプに多い傾向があります。
液体タイプの入浴剤は乳白色の商品が多く、とろみのあるテクスチャーが特徴です。
水分が蒸散しやすい入浴後もしっとりと水分で潤った肌をキープできます。
保湿成分をチェックする際は、スクワランやホホバオイル、セラミド、オリーブオイルなどが含まれているかをチェックしましょう。
肌への刺激を抑え、保湿効果を高めている「敏感肌用」や「赤ちゃんでも使える」などと宣伝されている商品がおすすめです。
発汗作用が期待できる入浴剤
ダイエット効果や老廃物のデトックス効果を得たい方におすすめするのは、「発汗作用が期待できる入浴剤」です。
発汗を促す成分には、トウガラシエキスやショウガエキスなどが挙げられます。
また、ミネラルを多く含んだバスソルトも発汗作用に優れている商品です。
バスソルトには体を温める効果が期待できるため、汗をかきやすくなります。
また、体内の塩分濃度を湯船と一定にしようとする作用が働き、体内の塩分が汗と一緒に排出されるのです。
医薬部外品の入浴剤
冷え性や肩こり、腰痛など、特定の悩みを持っている方は、有効成分が含まれている「医薬部外品の入浴剤」を活用してはどうでしょうか。
医薬部外品とは、効果や効能が認められた成分が一定濃度含まれている商品のことです。
医薬部外品は商品パッケージなどに有効成分と何に対して効果が期待できるのかが明記されています。
冷えや肩こり、腰痛などのトラブル以外にも、あせもやにきびなど効能の種類は幅広いため、自分の悩みに合った商品を選ぶことがポイントとなるでしょう。
好みの香りの入浴剤
就寝前にリラックスしたい方は、「好きな香りの入浴剤」にこだわってみるのもおすすめです。
香りが美肌に直接効果をもたらすわけではありませんが、香りのリラックス効果で心と体が癒され、ストレス予防や睡眠の質の向上が期待できます。
美肌を保つには、適度にストレスを発散し、しっかり眠ることが大切です。
お風呂で癒される時間を、美肌のための習慣にしてみてはいかがでしょうか。
落ち着く香りは人によって異なるため、いろいろ試しながら自分の好みを探してみるのもいいですね。
迷ってしまう方は、一般的にリラックス効果が得られるといわれているラベンダーなどのハーブ系、またはバラなどのフローラル系を選んでみてください。
【タイプ別】おすすめの市販の入浴剤を紹介
実際に店舗で販売されている入浴剤を、商品のタイプ別にご紹介します。
入浴剤選びの参考にしてみてくださいね。
とろみのある入浴剤①AYURA メディテーションバス
とろんと心地良い湯ざわり入浴剤をお探しなら、全国に店舗を構える人気ケアブランドAYURAのメディテーションバスtがおすすめです。
2層になっている中身を良く振ってたらすと、お湯が乳白色へと変化します。
やさしいとろみがついたお湯は保湿感が感じられるでしょう。
ローズマリー、カモミールなどをブレンドした香りは、まるで森林でゆったりと過ごしているような気分にさせてくれます。
バスタイムを癒しの時間にしたい方、自分へのご褒美としてリラックスタイムを作りたい方にぴったりです。
販売元 | アユーラ(株式会社アインファーマシーズ) |
容量 | 300mL |
価格 | 税込2,200円 |
とろみのある入浴剤②バスロマン ほっこりゆずの香り
バスロマンは、消臭剤からオーラルケアまで、幅広い商品を手がけるアース製薬から販売されている入浴剤です。
20種類以上のラインナップがあるバスロマンのなかで、今回紹介するほっこりゆずの香りは、芯まで温まる温浴タイプのひとつとなっています。
粉末をお湯に溶かすととろんとしたお湯が体全体を包み、ゆずの香りがリラックスさせてくれるでしょう。
高配合された温泉成分「硫酸ナトリウム」に加え、保湿成分である「ショウキョウエキス」と「天然カミツレエキス」が含まれているので、湯上り後もしっとりしたお肌が続きます。
販売元 | アース製薬株式会社 |
容量 | 600g |
価格 | オープン価格 |
発汗しやすい入浴剤①BARTH[薬用]中性重炭酸入浴剤
発汗しやすい入浴剤としておすすめなのが、BARTH[薬用]中性重炭酸入浴剤です。
有効成分である「重炭酸イオン※」が温浴効果をアップさせ、血行促進や疲労回復、肩こり、冷え性などへの効果が期待できます。
企業独自の技術と製剤化で、余計な成分を極力使わず重炭酸イオンが効能を発揮しやすい中性のお湯に保つ入浴剤を作り上げました。
無香料なので香りが苦手な方でも使いやすく、錠剤タイプなので保管もしやすい点が魅力です。
入浴中にお湯の中で体や頭皮をやさしく揉みほぐし、全身へとお湯を行き渡らせましょう。
※重炭酸イオン:炭酸水素ナトリウム(有効成分)
販売元 | アース製薬株式会社 BARTH事業部 |
容量 | 3回分(9錠入り)、30回分(90錠入り)など |
価格 | 3回分:税込990円、30回分:税込6,600円 |
発汗しやすい入浴剤②きき湯 ファインヒート
きき湯は入浴剤ではおなじみの株式会社バスクリンから展開されている、炭酸ガスを特徴とした入浴剤のシリーズです。
今回紹介するファインヒートは、きき湯のなかでも発汗にアプローチを行ったホットな入浴剤となっています。
温泉ミネラル成分「硫酸ナトリウム(有効成分)」と生薬「ジンジャー末(有効成分)」、トウガラシ成分(保湿成分)を配合し、疲労回復や冷え性をやわらげる効果が期待できます。
粒状の入浴剤はあえて大きな粒にすることで、一粒あたりの炭酸ガス量を高めることに成功しました。
お湯にすばやく溶けた高濃度の炭酸ガスは、血行促進と新陳代謝を活発にしてくれます。
とにかく汗をかいてスッキリしたいという方におすすめです。
販売元 | 株式会社バスクリン |
容量 | ボトル:400g、詰め替え用:500gなど |
価格 | オープン価格 |
お肌に優しい医薬部外品の入浴剤①ミノン薬用保湿入浴剤
ミノンは、肌と同じ弱酸性・シンプルな処方・低刺激の「3つのNon(ノン)」を心がけている敏感肌向けのスキンケアブランドです。
入浴剤には抗炎症作用で知られるグリチルリチン酸ジカリウムが有効成分として配合されており、肌荒れ・しっしんなどを和らげる効能をもっています。
とろみのある液体タイプで、お湯に溶かすと肌にしっとり感が感じられます。
ほのかに香るグリーンフローラルの香りでほっと心が安らぐでしょう。
全身のかさつきやかゆみが生じやすい方に向いている製品です。
販売元 | 第一三共ヘルスケア株式会社 |
容量 | ボトル:480mL、詰め替え用:400mL |
価格 | オープン価格 |
お肌に優しい医薬部外品の入浴剤②キュレル
キュレルは、肌の保湿に欠かせないセラミドが不足しがちな乾燥性敏感肌の方に向けたシリーズです。
スキンケアからヘアケアまで幅広いラインナップを揃え、「守って補う」成分にこだわっています。
キュレルの入浴剤は、ほぼ無臭の液体タイプです。
コメ胚芽油・ユーカリエキスが配合され、にきびやしっしん、しもやけなどの肌荒れのほかに、肩こり腰痛などに対する効能が期待できます。
肌にやさしい成分で作られているため、赤ちゃんと一緒に使用できる入浴剤をお探しの方にもおすすめです。
販売元 | 花王株式会社 |
容量 | 420ml |
価格 | 税込1,100円 |
入浴剤に関する「よくある質問」
最後に、入浴剤でよくある質問にお答えします。
入浴剤の使用量は湯船のサイズや製品によって異なります。
パッケージやボトルの裏を確認してみましょう。
多く使えば効果が高まるとは限りませんので、記載されている量を守ってお使いください。
古くから伝わっている方法には、天日干ししたショウガや柑橘系の皮、はちみつなどが挙げられます。
家にあるものを使って簡単にできるので、気になる方は入浴剤の代わりとしてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
入浴剤の汚れには、メラミンスポンジに水を付け、やさしく擦って落とします。
ただし、浴槽の素材によっては表面のコーティングを削り落としてしまうので注意してください。
メラミンスポンジが使えない浴槽の場合は、塩素系漂白剤を使うと汚れが落ちる可能性があります。
泡が出るのは、入浴剤に使われている成分が水に溶けるときに炭酸ガスが発生するためです。
泡がでることで血行促進効果を高めることができます。
まとめ
入浴剤で期待できる効果は発汗作用や温浴効果などと幅広く、その形状や香りもさまざまです。
自分がどんな効果を得たいのかを先に決めておき、効果を期待できる成分が含まれているものを選ぶことがポイントです。
入浴剤によって、いつものお風呂の特別感が増します。
その特別感を味わいながら、美肌に向けた温活を楽しんでみてくださいね。