手軽に好きなお酒を自由に飲むことができる宅飲み。リモート飲み会など定番になりつつある今、家でお酒を飲む「宅飲み」の機会も増えてきました。しかし、お店に行くよりも飲みやすくなったことで、ついつい飲酒量が増えてお酒代がかさんでしまった……という人も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、節約につながるコスパの良いお酒を紹介します。また、お酒の種類やコスパを高める賢い買い方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
コスパの良いお酒とは
コスパの良いお酒と言っても、コスパの定義によって意味合いは異なります。例えば「安くてたくさん購入できるお酒」と「高品質な割に安いお酒」は、違いますよね。
まずは、その定義を解説しながら、コスパの良さを決める基準となる計算式について説明します。
アルコール量に対する値段が安い
例えば、飲酒をする理由として、単に飲んで気持ちよくなりたいからだけではなく、飲んですっきり眠りたいなど、さまざまな理由があると思います。飲みすぎは体に毒ですが、節度を守った飲酒であれば「酒は百薬の長」とも言われる通り、メリットもあるのです。しかし、実際にお酒を飲んでも全然効かなかったということはありませんか?
アルコールの効果を得るには、一定量のアルコールを摂取する必要があります。たとえ安くて美味しくても、アルコールが全然入っていなければ、割高のジュースなどと変わりはありません。そのため、今回はコスパの定義を「アルコール量に対する値段が安いお酒=コスパの良いお酒」として考えていきます。
つまり、コスパの良し悪しを考える際は、同量のアルコール量を摂取する場合、どれだけ安くお酒を購入できるのかが基準になります。
では、実際に飲んでいるお酒にはどれだけのアルコールが含まれているのかをまずは知っておきましょう。
純アルコール量の計算式
お酒に含まれるアルコールの度数はお酒の種類によって異なります。一般例を挙げるとアルコール度数はビールが5%、日本酒が15%、焼酎が25%、ウイスキーが43%。ウイスキーが少ない量でも酔えるのは、アルコール度数が高いからです。つまり、酔いはお酒の量ではなく、摂取した純アルコール量がポイントになります。
純アルコール量はg(グラム)で表されます。純アルコール量算出の計算式は、以下の通りです。
純アルコール量(g)=お酒の量(ml) × アルコール度数 (%) × 0.8(比重)
一例として、アルコール度数5%のビールの缶1本(350ml)の純アルコール量は、350ml×0.05(5%)×0.8で算出され、およそ14gのアルコールが含まれていることが分かります。このように、他のお酒に関しても純アルコール量を出すときは、同じ計算式で算出可能です。
ちなみに厚生労働省では「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を1日あたり純アルコール摂取量で、男性40g以上、女性20g以上と定義づけています。
体質によってアルコールへの耐性が異なりますので一概には言えませんが、350mlのビール缶であれば男性は2本程度、女性であれば1本程度で酔うのに十分なアルコール量になると思っておきましょう。もちろん、アルコール度数の高いものを飲むのであれば、飲酒量はさらに少なくなります。
どのお酒がコスパがよい?種類別コスパ評価
それでは、コスパが良いとされるお酒はどれかを考えていきましょう。まずはお酒の種類別に純アルコール20gに相当する酒量を一覧表にまとめました。
酒類(アルコール度数) | 酒量 | 目安 |
ビール(5%) | 500ml | 約275円/ロング缶1本 |
チューハイ(5%) | 500ml | 約175円/ロング缶1本 |
ワイン(12%) | 約200ml | 約133円/1/4本 |
日本酒(14%) | 180ml | 約150円/1合 |
焼酎(25%) | 100ml | 約62.5円/グラス1/2杯 |
ウイスキー(43%) | 60ml | 約60円/ダブル1杯 |
「ちょっとだけ飲んですぐ酔いたい!」という人にとっては、アルコール度数の高い焼酎とウイスキーはコスパが良いお酒になります。
しかし、量を飲みたいという人は水やジュースで割って飲む必要があるため、割り材の分のコストが上乗せされます。それでも、日本酒よりは安く済むので、コスパを高めるのであれば、「強いお酒を割って飲む」というのが最も良い方法となるでしょう。
一方、ビールは飲みやすくて人気も高いですが、同じ度数のチューハイと比べても割高で、最もコスパの悪いお酒であることが分かります。
ビールだけ飲むのは最悪のコスパ
宅飲みの定番であるビールは、今回の定義から考えるとコスパは良くありません。ロング缶1本あたり約250円で購入できますが、他の酒類に比べると高めです。毎日飲む方にとっては、大きな出費になるでしょう。
発泡酒や第三のビールなら約160円で購入でき、チューハイと同じ程度のコストにすることはできます。ビール好きの方ははじめの1杯目だけビールにし、2杯目以降はコスパの高い酒類にするのもコスパを上げる方法の1つです。
ストロング系チューハイならコストダウン可能
さまざまな味を楽しめるチューハイのコスパは中程度です。ビールよりコスパは良いですが、ワインや日本酒など他の酒類に比べるとコスパは悪くなります。
しかし、チューハイには「ストロング系チューハイ」というアルコール度数が9%ほどのお酒もあります。例えば、ストロング系チューハイの半分をジュースなどで割れば、1杯およそ半分のコストで飲むことも可能です。
ワインや日本酒のコスパは中程度
ワインと日本酒のコスパは中程度です。例えば750ml/500円のワインなら、133円ほどかかります。また、1800mlで1,500円の日本酒の場合、必要な金額は約150円とワインと同じくコスパは中程度です。ワインや日本酒は値段の幅が広いので、安いものを購入するとコスパを上げられます。いかに安く美味しく飲めるものを見つけられるかがポイントです。
ただし、ワインにも日本酒にも保存期間(賞味期限)があり、開封したら早めに飲むこともお忘れなく。
ウイスキーや焼酎はアルコール度数が高く、コスパも高い
アルコール度数の高いウイスキーや焼酎は、低コストで酔えるコスパの高い酒類です。ウイスキーの場合、4,000ml/4,000円と換算すると、約60円で十分なアルコール量を摂取できていることになります。また焼酎は、例えば4,000mlで2,500円なら、純アルコール量20g摂取するのにかかった金額は62.5円分。他の酒類に比べても、ウイスキー同様にコスパが高いことは一目瞭然です。
ウイスキーと焼酎はアルコール度数が高く、今回のコスパの定義ではかなり優秀な酒類です。そして、割材のコストはかかってしまうものの、お酒に弱い人でも飲める分だけ薄めることができるのもメリットです。
しかし、苦手な人は苦手というほどに味の癖が強く、人によって合う合わないはあるでしょう。
コスパが良いお酒の買い方
同じお酒でも、安く購入できる買い方があることをご存知ですか?安く購入できればそれだけコスパも良くなります。
例えば缶ビールや缶チューハイを買う場合、単品で買うよりまとめ買いのほうが安く購入できます。ほかにもウイスキーや焼酎などは大容量のボトルなどで購入することもコスパを良くするのに有効な方法です。
ここからは、お酒の種類ごとにコスパが良いお酒の買い方を詳しく紹介します。
ビールはまとめ買いがおすすめ
ビールは1缶ずつではなく、6本パックやケースで購入すると1本あたりの価格が安くなりコスパが高まります。その分、保管場所を取ることになってしまいますが、常温でも問題はないので、定期的にビールを飲む人はまとめ買いすることをおすすめします。
またビールを発泡酒や第三のビールに変えると、さらにコスパを良くすることができます。ビールから発泡酒に変えると30%~40%程度の節約になるため、ビール好きの方が無理なくできる節約方法です。
缶酎ハイは度数が高いものを選ぶ
一般的な缶チューハイのアルコール度数は3%~6%と、ビールと同じくらいですが、ストロング系チューハイにすることで、少ない量でも酔いやすくなります。
アルコールに強い体質の方にとってストロング系チューハイはコスパが良いお酒です。しかし、お酒に弱い方にとっては強すぎるので、摂取量を抑えるなど工夫しながら飲むようにしましょう。急ピッチで飲むと体調を崩すこともあるので、ペース配分を考えながら楽しんで飲むようにしましょう。
またレモンサワーをよく飲む方は、スーパーでパックや瓶などで売られているレモンサワーの素を炭酸水で割ったほうが安く済みます。コスパが良くなるだけでなく、自分好みのレモンサワーを作って楽しむことができるのもレモンサワー好きにとってはうれしい点です。
ワインは通販でまとめ買い
ワインは酒店以外にもスーパーやコンビニ、通販で購入できます。その中でコスパが良くなる購入方法は、通販でのまとめ買いです。スーパーでも低価格で販売されていますが、ワインは温度管理の調整が難しく取り扱いにくいお酒です。そのため専門スタッフがいないスーパーのワインは、安くても品質的な面ではおすすめできません。
通販サイトによっては、ワインをソムリエが管理し、美味しいワインを低価格で提供しているところも少なくありません。
日本酒は大容量の紙パックが狙い目
紙パックの日本酒は、瓶よりも低価格で販売されています。安いものでは2Lの日本酒が1,000円以下で購入できます。紙パックなら後片付けも楽で、まさに一石二鳥です。大手メーカーからさまざまな日本酒が販売されているので、自分好みの味を見つけやすいでしょう。
また、日本酒の場合、大超量パックを買って余っても、料理など他の用途にも使えるので便利です。
同じ紙パックでも、コンビニなどに売っている飲み切りタイプの一合(180ml)サイズは瓶で買うのと同じ程度のコスパになるので、注意しておきましょう。
ウイスキー・焼酎は大容量のボトルで購入
今回紹介した酒類のなかでもコスパが良いウイスキーや焼酎。さらにコスパを高める方法は、ボトルでの購入です。ボトルと言っても、おすすめは大容量サイズのペットボトルや紙パックです。
瓶よりもペットボトルや紙パックのほうが内容量は多く、よりコスパが良くなっています。ウイスキーや焼酎は割り方を変えることで、楽しみ方の幅が広がります。大容量サイズでも、最後まで飽きることなく飲みきれるでしょう。
お得なまとめ買い一覧
下記にまとめ買いや大容量ボトルの一例として、各種お酒を紹介していきます。
直接お店へ出向いて買うとなると、非常に荷物がかさばってしまううえ、今は通販の方が値段もお得になっています。
値段によっては配送料がかかってしまうこともありますが、何かのついでに購入すれば、配送料が無料になる金額に届くでしょう。
毎日飲酒される人や少しずつ飲む人は、このような買い方も検討してみてはいかがでしょうか?
通販サイト:Kuradashi
フードロス削減を目指すショッピングサイト「Kuradashi」では、ビールにワイン、サワーや日本酒など、バラエティ豊かなお酒がお得に購入できます。40%オフのサワーや60%オフのワインなど、お酒のコスパを気にする方にオススメのサイトです。
お酒を割る際の炭酸水も格安で購入できるので、気になる方はチェックしてみてください。
アサヒ スーパードライ(350ml×24本) 4,517円(1本あたり188円)
最も人気のビール「アサヒ スーパードライ」は通販ですと、市場価格の8%~10%引きで購入が可能です。500ml缶の場合でも同じくらいの割引がされているため、大きい缶の方が良いという場合はこちらを購入ください。
Amazonだと「定期おトク便」というシステムがあり、定期的に購入することでさらに3%の割引になります。
10%分の割引でビール2缶分相当になり、1年続ければ1箱分の節約になるので、長く続くほどお得になるでしょう。
金麦(350ml×24本) 2,904円(1本あたり121円)
もしビールではなく発泡酒や第三のビールでもっと節約したい場合、1本あたり120円前後で購入可能です。500ml缶でも170円前後で、ビールよりもさらに値段を落とすことができるでしょう。
「金麦」は市場価格が141円ですが、通販だと約15%もの割引価格で購入できます。
ビールよりも割引率が高くなっていることが多いので、普段は発泡酒や第三のビールで我慢して、節約で浮いたお金でたまに良いビールを飲むというのも楽しいかもしれませんね。
通販サイト:ワインショップ ソムリエ
Amazonや楽天市場などでの通販より、ワイン専門の通販サイトでは時折セールが行われています。
こちらの通販サイト「ワインショップ ソムリエ」ではワイン10本のまとめ売りなどを行っており、これで購入できれば1本あたり800円で購入できます!
スーパーなどのワインよりもなるべく美味しいワインで節約したい場合におすすめです。
ただ安いお酒だけではなく、良質なワインもお得な値段で買えますので、節約ときどき贅沢というように利用するのもアリでしょう。
サントリー トリスクラシック(4,000ml瓶)3,905円(60mlあたり58円)
ハイボール缶でもお馴染みのサントリー「トリス ウイスキー」は大容量ボトルで購入すると、1mlあたりが1円を切るほどのコストにできます。
割る場合はその分の費用がかかりますが、それでもハイボール缶やチューハイを買うよりも圧倒的に安く済ませることが可能です。
トリス ウイスキーのラインナップは700ml瓶からありますが、瓶をまとめ買いするよりも、大容量ボトルを買った方が断然安くなります。
コスパ良く宅飲みして、お酒を楽しもう!
お店より安く気軽にお酒を飲める宅飲み。純アルコール量を基準とした宅飲みにおすすめのコスパが高いお酒は、ウイスキーと焼酎です。
ウイスキーや焼酎は、アルコール度数が高く、少ない飲酒量で酔うことができますが、大量に飲酒した場合はアルコール中毒を引き起こす可能性があるため、飲みすぎないようにしたり、割って飲んだりするなどの工夫が必要です。
コスパをより良くするためには、割って飲む際に購入する割材の単価を安くする必要がありますが、お酒が苦手な人はジュースなど割材も増えるため、割材も含めたトータルのコストで考えるようにしましょう。また、まとめ買いなどの購入方法や購入する店舗によってもコスパは前後することもあるので、お得に買える方法を見つけることで、よりコスパを高めることができます。
お酒の好みや酔いやすさなどを考慮し、飲みすぎには気をつけて楽しく宅飲みをしてください。